多度神社で開催される「多度祭り」で神事としておこなわれるのが
「上げ馬神事」です。
この上げ馬神事が動物虐待であるとして
以前から繰り返し非難され炎上していました。
2012年に動物愛護法が改正され
新たに「酷使」という項目が追加され
正に上げ馬神事は「酷使」ではないかと言われています。
【この記事でわかること】
・上げ馬神事とは
・多度大社の「白馬伝説」
・上げ馬神事のなにが問題なのか
・上げ馬神事の死亡事故
上げ馬神事とは
その年の豊作、凶作を占うことを目的とした神事で
毎年5月4日~5日の多度祭で行っています。その歴史はなんと約700年。
上げ馬神事では、乗り子が馬とともに、多度大社に築かれた坂を一気に駆け上がります。
5月4日に12回(2回×6地区)
5日に6回(1回×6地区)の合計18回上げ馬を行ない
坂を上りきった回数や順序を見て
その先1年の稲作や景気に関する吉凶を占います。
多度大社の「白馬伝説(しろうまでんせつ)」
多度大社がある「多度山」には
昔から神が存在する山と信じられていました。
人々の願いを神に届ける使者の役割を果たすのが
多度大社に1500年前から棲むといわれる白馬です。
古来より神は馬に乗って降臨するとされており
神と馬との関係は深いそうです。
筆者もこの多度大社へ行ったことがありますが
多度大社には実際に「白馬」がいて
このように人参を与えることができます。
白馬の絵馬もあります。
古来から伝わる伝説と神事が結びついたものと考えられますが
そもそも神の使いである馬を
死なせてしまっていいのか、という疑問を抱く方も多いはずです。
上げ馬神事のなにが問題なのか
急な坂を駆け上がると言われていますが
実際はほぼ壁のようなところを駆け上がります。
それによって馬が骨折する事故が多発しています。
馬は骨折すると生きられない確率が高いため
骨折したら安楽死させているようです。
上げ馬神事の死亡事故
骨折した馬が毎年のように死亡していると言われています。
今年(2023年)も死亡事故が起きてしまいました。
過去には騎手の死亡事故もあります。
神前式といえば「多度大社」と言われるほど
中部地方では結婚式場としても有名な神社です。
しかし毎年のように上げ馬神事での死亡事故が起きているとなると
そういった場所で結婚式を挙げたくないと思う人も増えそうですね。
神前に持ち込んではいけないとされる
「ケガレ」についてはどう考えられているのか疑問です。
とはいえ、これほど批判され続けてもやめられない「上げ馬神事」。
多度祭りに参加したことのある方はわかるかもしれませんが
上げ馬神事は多度祭りのメインイベントと言っても過言ではなく
上げ馬神事が無くなったら来ないという人も多いでしょう。
筆者も何度か多度祭りを見にいったことがありますが
上げ馬神事がおこなわれる場所には
近づけないほどの人出なのです。
言い方は悪いですが動物の「生死」が関わっているショーは
娯楽が少なかった時代の人々にとっては貴重な興行の一つだったと言えるでしょう。
しかし現在は娯楽に溢れた時代です。
「では競馬はいいのか」「競走馬を鞭で叩く行為は“酷使”ではないのか」という疑問もあるので
難しいかもしれませんが
人間の娯楽のために動物の命が消費されることのないよう祈るばかりです。
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